就活生に伝えたい新卒フリーランス5つのデメリット

新卒でフリーランスはありなのか?

「就活しないでフリーランスってありですか?」

仕事をしていると、大学生やインターンの人、特に就活している人によくこの質問をされます。フリーランスって自由のイメージが強いから、気持ちは大変わかります。

結論から言いますと、

これまで何も仕事をしておらず、0からスタートの人は就職した方が良いです。

もちろんフリーランスでも全然問題ない人もいます。そこで今回はどういう人がフリーランスに向いていて、どういう人が向いていないのかについて話したいと思います。

この記事を読んで欲しい人
  • 就活かフリーランスで迷っている人
  • 就活のメリットがわからない人
  • フリーランスのデメリットがわからない人

フリーランスは好きな時間に働いて、自由そうでいいなあ。

フリーランスを目指す時に必ず思うことってこういうことですよね。私も会社員生活があまりにも嫌すぎて、毎日毎日、独立してノマドウォーカーなる生活をしたい。オシャレなカフェでMacとか触ってみたいと思っていました。憧れのフリーランス生活できないかなあと。

で、実際、現在フリーランスなわけですが、フリーランスになってからいろいろ分かったことがあります。フリーランスの理想と現実、メリット、デメリットについてシェアできれば幸いです。

デメリットその1:自由だけど収入が安定しない

過去記事で私の年収の話をしました。当時は300万~400万稼いでおり、これは新卒フリーランスを目指す人から見れば十分な年収のうちに入ると思います。

この記事のタイトルだけ見ると、ああフリーランスでも新卒初任給は余裕で稼げるんじゃん!と思う人がいると思いますが、それは大きな間違いです

声を大にして言います。

それは大変な誤解です。

ここで私のフリーランス1年目の収入を月別に公開します。

  • 1月…72,410円
  • 2月…163,325円
  • 3月…82,794円
  • 4月…221,733円
  • 5月…98,490円
  • 6月…178,072円
  • 7月…99,721円
  • 8月…180,359円
  • 9月…173,169円
  • 10月…210,894円
  • 11月…227,610円
  • 12月…170,900円

合計:2,089,477円

どうでしょうか。

最初の7カ月くらいは月に10万を切ってしまうことが4回もあったことがわかると思います。8月以降は20万前後を稼げるようになっていますが、これは安定収入が見込めるクライアントを見つけたからです。もし見つけなかったら10万円を切る月はもっと増えたでしょう。

また収益は210万弱となりますが、ここから国民健康保険、住民税などの税金と生活費を差し引くと、残るお金は微々たるものとなり、遊ぶお金はほとんどありません。つまり、私がふんわり憧れていたカフェなどで優雅に仕事をする「ノマドワーカー」には到底なれない収入ということです。毎日カフェ代を支払っていたら破産してしまいます。

そう、自由とは安定と引き換えなのです。

デメリットその2:仕事のノウハウは自分で確立しなければならない

会社組織に所属するメリットの一つは、仕事のノウハウを無料で学べることです。

社会人として身につけなければならない基本的なスキルから、資料作り、プレゼンのやり方、顧客の応対方法など学べることはさまざま。大学生の時点でこのスキルを身に着けている人はごくごく稀ではないでしょうか?

実際、私は会社にいた時代に身に着けた知識のおかげでフリーランスになってからあまり苦労をしていないと感じます。

身に着けてよかったスキル
  • Excel(関数、ピボットテーブル含む)
  • Power Point
  • HTML,CSS
  • 顧客のメール対応、電話対応
  • プレゼンのやり方
  • 効果的な資料の作り方(グラフの見せ方からスライドの作り方まで)
  • CMS構築
  • 各種ツールの使い方(会社既定のツールを色々使える)
  • アクセス解析
  • 広告運用(リスティング、Twitter、Facebook(Instagram)広告など)

思いつくままにあげるだけでもこれだけのスキルを身に着けることができました。すべて先輩や上司にOJTで教えて貰ったり、クライアントと話す中で気づきを得て身に着けたものです。

会社に入ると、必ず誰かが仕事を教えてくれる、チェックしてアドバイスをしてくれる、というのが最大のメリットだと思います。

私は自慢ではありませんが、めちゃくちゃ要領が悪くて、効率の良い方法を探すのが苦手な人間です。あまりにも仕事ができなくて落ち込むこと数知れず、一時期はメンタルヘルス本やらを読み漁るくらいメンヘラっていました。そういう人間でも、先輩や上司のおかげで人なみに仕事ができるように育ててもらったことを考えると、会社組織に所属していたことは悪いことではなかったなと思います。

もちろん、要領がめちゃくちゃよくて、効率よく仕事ができるスーパーな大学生だったら会社に就職しなくてもよいかもしれません。ただ、私が今まで出会った頭が良くて意欲あるインターン生たちの中にこれらすべてが完璧だった人は一人もいません。

デメリットその3:仕事を得るための営業は必須

自由だけど収入が安定しない の項目で、私がフリーランス1年目の時の収入を公開しましたが、収入源は実は前職から頂いたお仕事が大半だったりします。古巣から仕事をいただいていたわけですね。

それに加えて、クラウドワークスなどで自分で仕事を探しましたが単価の安いライティング仕事がほとんどで、ご紹介した通り、フリーランスになってから7カ月は収入が10万円を割り込むことが4回もありました

もし、新卒なのにフリーランスになったとしたら?

そう。0からスタートとなるため、私のように前職から仕事を貰うことはできません

収入源はすべて自分で営業して取ってくる必要があります。

既に収入源を確保している場合はこの限りではありませんが、想像以上に仕事を得て、一定の収入を得るのは大変なことなのです。

この記事で書いている「フリーランスは営業をしなくてもOK」という話は、私のように既に社会人スキルがある程度ある人の話です。まったくスキルがない新卒フリーランスの人は、応募メッセージの書き方が下手な人が多いため、こうしたクラウドワークの募集に応募しても採用されないことが多いと思ってください。

もちろんきちんと実績を重ねていくことで、採用されやすくなったり、継続的に仕事をもらったりすることは可能です。ただ、実績を重ねるというのは時間のかかることだと認識しておくことが必要です。

デメリットその4:人脈作りは自分次第という名のハードモード

会社に所属しているともう一つ良いことがあります。

それは人脈を作ることができる、ということです。

人脈、というと陽キャの人だけでしょ?と思う人もいるかもしれませんが、それは誤解です。

例えば今の私の仕事の構成をご紹介しましょう。

私の収入内訳
  • S社の業務委託→前職社長の紹介
  • A社ライティング→元同僚から発注
  • B社ライティング→元同僚から発注
  • C社ライティング→前職から発注
  • クラウドワークス経由のディレクション業務

実に仕事の9割が前職や元同僚からの紹介や発注ということがわかるかと思います。この内容を見て「同僚と仲良くしてたからでしょ」と思う人がいるかもしれません。それも誤解です。

発注してくれた元同僚とは業務以外の話をほとんどしたことがありませんでした。プライベートで飲んだことも一度もなく、控えめにいっても仲が良かったとは言えません。しかし、私がフリーランスになったと聞いて、仕事ぶりを思い出してくれたうえで仕事の相談をしてくれました。

S社の業務委託についても社長が私に合いそうな会社があると、紹介してくれて仕事を請けることになりました。特別に相談していたわけでもないのにです。

このようにどこかの会社に所属していると、知らない間に様々な人とかかわることになります。そのかかわった人たちがひょんなことから仕事をくれるかもしれません。ただし、最初からフリーランスだと、このかかわる人が必然的に少なくなってしまいます

めちゃくちゃパリピで友達が多くてビジネスの話もする人は別かもしれませんが、大学生で人脈を多く持っている人も多くないと思います。だからこそ、一旦は会社に所属するのがおすすめ、というわけです。

会社時代にクライアントにめちゃくちゃ気に入られれば、クライアントから仕事を貰えたりもするかもしれません。

また大小かかわらずどこかの会社に所属していれば大手企業とやりとりするチャンスがあります。これはフリーランスの人間ではなかなか体験できないことです。

デメリットその5:誰にも相談できない孤独

最後にフリーランスで一番向き不向きが出てくるのが「孤独との闘い」ではないでしょうか。

コロナ禍となって在宅ワークが増えた現在でも外に出るのを我慢できない人が一定数いることが露見しています。人と会えず、話せないことがストレスという人もいるでしょう。

一方、私のように一か月外に出なくても平気、誰とも会話しなくても全然平気。一人の時間を思う存分満喫できるという人もいます。フリーランスに向いているのはこのタイプです。

誰かと話さないと辛い、困ったときに相談したい、という人は会社に就職した方が幸せな社会人生活を送れます。間違いないです。フリーランスは相談できる人がいません。どこかのコミュニティに所属していても必ず返事がもらえるわけではないし、返事をもらえるタイミングも計れません。

会社であれば上司に相談すれば、解決しやすい問題でも、フリーランスでは長期間悩むことだってあるかもしれませんよね。

新卒でフリーランスになるか迷っている人は、自分はどちらのタイプか、よく考えてみることをおすすめします。

まとめ:新卒でフリーランスを目指す前に

以上、新卒フリーランスになるデメリットを5つ紹介しました。

もちろん能力が飛びぬけていて、既に顧客を多数抱えており、さらには色んな界隈の人と親しく付き合っているウルトラスーパーやばい大学生の人は今すぐ独立したって何の心配もいらないと思います。一緒に働く仲間もいれば鬼に金棒、今すぐ起業しちゃって構いません。

ただ、就職がだるいなあ、面接とかしたくないからフリーランスになろうかなあと思っている私のようなふわふわの方については、一度このデメリットをよく考えてみて欲しいです。

ふわふわな人ほど1回会社に所属して鍛えてもらってからフリーランスになった方が良いです。というか効率が良いです。

世の中甘くねえなあ。

楽して生きていきたいですよねえ。

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ERI
2016年にフリーランスになってからゆるくふわふわ働いているフリーランサー。フリーランス開始から年収はなぜだか6倍に増えているけれど、あんまり頑張って働きたくないをモットーに生きています。 このブログではやる気はそこまでないけど、生きていくだけのお金を稼ぎたい、フリーランスでふわふわ生きていきたい、人生行き詰まって辛いけどどうやって抜け出すの?という人に向けて、ゆるくふわっとした解決策の提案とか私なりの脱出経験則などをお伝えしていきます。